BLACK CITY
此処は闇に埋もれた都市
その名もBLACK CITY
此処にはルールはなく何をしても誰も何も言わない
もちろん警察など居ない
誰が何をしようと
誰も関心を持たない
皆が毎日好きなことをしている
バーン
健「ふ、なんだこいつ弱っちいの。」
洋「おい、あんま派手に殺んなよ。」
健「いいじゃん。誰がなんか言うわけでもないし。」
洋「違う、此処で殺られると臭いんだよ。死臭が。」
健「おおっと、こりゃ失礼。」
洋「ったく。」
この街ではこれが日常
誰かが誰かを殺したり
誰かが誰かの大切なモノを壊したり
誰も何も言わない
それがこの街
大切なモノをなくした者は
復讐か自殺
たいていそのパターンである
誰も何も言わないのだから
誰もその人を慰めたり宥めたり出来ない
だから怒りにやられるか悲しみにやられるか
その二択しかない
悲しい街
誰かがこの町のことをこう呼んだ
確かにそうかもしれない
そこに住んでいる人には
楽園かもしれない
誰にも何も言われず
自分の思い通りになる
ルールなんかに縛られない
特別な楽園の街
しかし
人として生きていけない街
感情が生まれるときには
復讐か自殺しかしていない
人とはずいぶん身勝手だ
だからこそルールに縛られる
いや
縛られていたい生き物なのかもしれない
健「なぁ、今度はあいつにしようぜ。」
洋「ったく、分かったよ。」
健「洋輔は、あっちからオレはこっちからな。」
洋「はいはい、ご自由に。」
バンバーン
バタッ
健「・・・・・洋輔っっ!」
洋「くっ・・・・・。」
健「洋輔、洋輔っっ!!!」
健一の応急処置が良かったのか
急所を外れていたからか
洋輔は一命を問い止めた
洋「ん、けんぃ..ち。」
健「洋輔っ、良かった。」
洋「はは、別に良かないけど・・・。」
健「はは。オレ絶対あいつを殺るからな。」
洋「何?復讐でもすんの?」
健「おう、でないと気が済まねぇから。」
洋「どうぞご自由に。でもオレみたいになんなよ。」
健「へ、分かってますよ。」
大切なモノを失いかけた感情
この街では初めての感情
それは
仲間を想う気持ち
どうぞこの町にBLACK CITYに光りが満ちますように